№203 減価償却資産の償却方法の変更手続き

2026.01.30

今回は、法人が現に採用している減価償却の方法を変更する時の手続きについて質問がありましたので解説します。

1.原則的な方法

原則的な減価償却資産の償却方法は、減価償却資産ごとに政令で以下のように定められています(法令53)。

① 建物…平成19年4月1日以降定額法

② 建物付属設備・構築物…平成28年4月1日以降定額法

③ 機械装置・船舶・航空機・車両運搬具・工具器具備品…平成19年4月1日以降定率法(法人の場合は定率法が法定)または定額法(個人事業者の場合は定額法が法定)

④ 無形固定資産…平成19年4月1日以降定額法

2.償却方法の変更手続き

ただし、減価償却資産の償却方法を変更しようとするときは、原則として、新たな償却方法を採用しようとする事業年度開始の日の前日までに償却方法を変更しようとする理由などを記載した「減価償却資産の償却方法の変更承認申請書」を所轄税務署長に提出して、所轄税務署長の承認を受けなければなりません(法令52①②)。

税務署長は、上記の申請書の提出があつた場合、その申請につき承認又は却下の処分をするときは、申請をした法人に対し書面によりその旨を通知します(法令52④⑤)。

なお、償却方法の変更申請は、その法人が現によっている償却の方法を採用してから相当期間を経過していないとき(注1)、または変更しようとする償却の方法によっては各事業年度の所得の金額の計算が適正に行われ難いと認められるときは、承認されません(法令52③)。

(注1) 現在の償却方法を採用してから3年を経過していない場合は、その変更が合併や分割に伴うなどの特別な理由があるときを除き、相当の期間を経過していないときに該当します(法基通7-2-4)。

※ 法令52

内国法人は、減価償却資産につき選定した償却の方法を変更しようとするときは、納税地の所轄税務署長の承認を受けなければならない。

2 前項の承認を受けようとする内国法人は、その新たな償却の方法を採用しようとする事業年度開始の日の前日までに、その旨、変更しようとする理由その他財務省令で定める事項を記載した申請書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。

3 税務署長は、前項の申請書の提出があつた場合において、その申請書を提出した内国法人が現によつている償却の方法を採用してから相当期間を経過していないとき、又は変更しようとする償却の方法によつてはその内国法人の各事業年度の所得の金額の計算が適正に行われ難いと認めるときは、その申請を却下することができる。

4 税務署長は、第二項の申請書の提出があった場合において、その申請につき承認又は却下の処分をするときは、その申請した内国法人に対し書面によりその旨を通知する。

5 第二項の申請書の提出があつた場合において、同項に規定する事業年度終了の日までにその申請につき承認又は却下の処分がなかつたときは、その日においてその承認があつたものとみなす。

※ 法令53

法第31条第1項(減価償却資産の償却費の計算及びその償却の方法)に規定する償却の方法を選定しなかつた場合における政令で定める方法は、次の各号に掲げる資産の区分に応じ当該各号に定める方法とする。

一 平成19年3月31日以前に取得をされた減価償却資産 次に掲げる資産の区分に応じそれぞれ次に定める方法

イ 第48条第1項第一号イ及び同項第二号(減価償却資産の償却の方法)に掲げる減価償却資産 旧定率法

ロ 第48条第1項第三号及び第五号に掲げる減価償却資産 旧生産高比例法

二 平成19年4月1日以後に取得をされた減価償却資産 次に掲げる資産の区分に応じそれぞれ次に定める方法

イ 第48条の2第1項第一号イ及び第二号(減価償却資産の償却の方法)に掲げる減価償却資産 定率法

ロ 第48条の2第1項第三号及び第五号に掲げる減価償却資産 生産高比例法

※ 法基通7-2-4

一旦採用した減価償却資産の償却の方法は特別の事情がない限り継続して適用すべきものであるから、法人が現によっている償却の方法を変更するために令第52条第2項《減価償却資産の償却の方法の変更手続》の規定に基づいてその変更承認申請書を提出した場合において、その現によっている償却の方法を採用してから3年を経過していないときは、その変更が合併や分割に伴うものである等その変更することについて特別な理由があるときを除き、同条第3項の相当期間を経過していないときに該当するものとする。(昭55年直法2-8「二十」により追加、平14年課法2-1「十六」、平23年課法2-17「十三」により改正)

(注) その変更承認申請書の提出がその現によっている償却の方法を採用してから3年を経過した後になされた場合であっても、その変更することについて合理的な理由がないと認められるときは、その変更を承認しないことができる。

(完)

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